特定のセルに移動するには「ジャンプ機能」が便利です。
移動先を直接入力することができ、その履歴を記録することもできます。
そして「セル選択」をクリックして「選択オプション」をひらけば、条件を指定してセルを選択できます。
しかし「選択オプション」の中には意味不明の項目もいくつかあって、使いこなせていないという方が多いんじゃないでしょうか。
この記事では、すべての項目を使用例も挙げてわかりやすく解説します。
ふだんの作業に役だつ操作方法を、かならず見つけられるはずです。
みなさんが思っている以上に ” 使える ” 機能であることがわかりますよ。
「ジャンプ」ダイアログ
ダイアログの表示
「ホーム」タブ→「編集」→「検索と選択」→「ジャンプ」
で「ジャンプ」ダイアログが開きます。
ショートカットキーは
Ctrl + G 「ジャンプ」ダイアログの表示
移動の履歴
初期状態では、”定義された名前” が「移動先」リストに表示されています。
「参照先」にセル番地・セル範囲などを入力し、「OK」で、参照先に移動です。
「移動」というより「選択」の手段としてもつかえます。
” A1:A10000 ” などは、直接文字で入力したほうがはるかに速いですよね。
「名前ボックス」に入力しても同じように移動できますが、「ジャンプ」の便利なのは「移動の履歴」が表示されることです。
もう一度「ジャンプ」ダイアログをひらきましょう。
「移動先」に今までの履歴が表示されています。
ただ、記録される履歴には条件があります。
履歴に記録される条件
「ジャンプ」ダイアログから移動したときに、移動元のセルが記録される
通常のマウスクリック、Shift・Ctrlキーを使った移動では記録されません。
また「ジャンプ」ダイアログをひらいたとき、「参照先」にはひとつ前の位置がアクティブ状態で表示されています。
つまり、こんな使い方ができます。
「この場所おぼえておきたい」というときに、「ジャンプ」ダイアログを開いてジャンプ。
最初の参照先は記録されないので、どこでもいいです 。
他の場所で作業をしたあと、「ジャンプ ( Ctrl + G )」→「OK」でさっきの場所に戻れます。
「ジャンプ」ダイアログを開いた時点のセルは記録されるので、この2か所間で行ったり来たりもできます。
もちろんシート間の移動でも有効です。
ただし履歴は4つしか保存されません。
またファイルを閉じると履歴はリセットされます。
「選択オプション」ダイアログ
「ジャンプ」ダイアログ左下、「セル選択」をクリックするとひらくのが「選択オプション」ダイアログです。
さまざまな条件のセルを指定できます。
リボンから直接「選択オプション」ダイアログをひらくには
「ホーム」タブ→「編集」→「検索と選択」→「条件を選択してジャンプ」
以降、選択オプション各項目の説明です。
メモ
メモの入っているセルを選択。
定数
定数とは数式以外の、直接入力されたデータのこと。
文字列も含みます。
にチェックをいれて選択できます。
日付データは「数値」です。
使用例
全選択からの
「定数」「数値」で選択
Deleteして、表を再利用
数式
数式の入力されたセルを選択。
値 (計算結果) を
から選択できます。
空白セル
空白のセルを選択。
アクティブセル領域
アクティブセルに隣接したデータがあるとき、データ領域全体を選択。
アクティブセルは左上に変更されます。
ショートカットキーは
Ctrl + Shift + * アクティブセル領域の選択
アクティブセルの配列
アクティブセルが配列数式で入力された配列の一部であるとき、その配列全体を選択。
オブジェクト
シート上の全オブジェクト(図形・グラフなど)を選択。
アクティブ行との相違・アクティブ列との相違
説明が長いので後述します。
参照元・参照先
セル参照した数式があるとき、その参照元・参照先を選択。
AセルがBセルを参照しているとき、Bセルが参照元、Aセルが参照先です。
さらにBセルがCセルを参照し、CセルがDセルを・・と階層になることがあります。
この階層を、ここでは「レベル」と呼んでいます。
参照元・参照先の選択のショートカットキー。
Ctrl + Shift + { 参照元の選択 ( すべてのレベル )
Ctrl + Shift + } 参照先の選択 ( すべてのレベル )
Ctrl + [ 参照元の選択 ( 1レベルのみ )
Ctrl + ] 参照先の選択 ( 1レベルのみ )
最後のセル
データが入力された領域の最後(右下)のセルを選択。
ショートカットキーは
Ctrl + End データ領域の最終セルに移動
可視セル
表示されているセルだけを選択。
使用例
グループ化などで非表示行があるとき。
通常のコピペは非表示行までコピーされる
可視セルを選択してコピペ
条件付き書式
シート上すべての、条件付き書式が設定されたセルを選択。
「同じ入力規則」(?)にチェックを入れると、アクティブセルと同じ条件付き書式のセルが選択されます。
データの入力規則
シート上すべての、入力規則が設定されたセルを選択。
「同じ入力規則」にチェックを入れると、アクティブセルと同じ入力規則のセルが選択されます。
アクティブ行・アクティブ列との相違を解説
具体例をあげて解説
「アクティブ行・列との相違」があまりにもわかりにくいので具体例で説明します。
ある成績表があります。
E列とF列は一見同じですが、E列に入力されているのは数値、F列はSUM関数です。
データ全体を選択します。アクティブセルは C3 セルにあるとします。
このとき、
- 「アクティブ列」とはアクティブセルを含む A3:F3 のこと
- 「アクティブ行」とはアクティブセルを含む C2:C7 のこと
ここが、このメニューのわかりにくさの元凶です。
行と列、反対じゃないですか?翻訳ミス?
しかたないので、このままで解説します。頭の中で行と列をおきかえてください。
この状態で「アクティブ行との相違」「アクティブ列との相違」の選択をします。
「アクティブ行との相違」の結果
アクティブ行を他の行 (列です) とそれぞれ比較して、ちがっているセルだけを選択します。
アクティブ行 (列です) はもちろん選択外です。
画像ではわかりにくいですが、D2 セルは選択内のアクティブセルです。
「アクティブ列との相違」の結果
アクティブ列を他の列 (行です) と比較して、ちがっているセルだけを選択します。
F列の数式は相対参照で同じ数式が入力されています。同じデータとみなされ選択外です。
画像ではわかりにくいですが、A2 セルは選択内のアクティブセルです。
「アクティブ列との相違」「アクティブ行との相違」にはショートカットキーがあります。
Ctrl + Shift + | (\) アクティブ列との相違
Ctrl + | (\) アクティブ行との相違
「アクティブ列との相違」使用例
使用例としては、数式のチェックなどでしょう。
使用例
数式部分だけ選択
先頭行が正確なのは前提として…
Ctrl + Shift + \
( アクティブ列との相違 )
数式のミスを発見!
列の一部だけ数式がちがうなんて、ありえないと思われるでしょうか?
社内で共有するファイル、つまりほかの人が編集する可能性のあるファイルではわりとありがちなのです。
一部のセルが #REF!エラーになっていたり…
エクセルの知識はひとそれぞれですからね。
「アクティブ列との相違」は、ほかにも使い道があると思います。
使いこなせばなかなか便利な機能です。
まとめ
大きな表やたくさんのシートがあるファイルを編集するとき、効率的な移動・選択ができないとストレスになりますよね。
この記事で紹介した機能のなかで、「これ、いつも苦労してた!」があったら、どんどん取り入れていきましょう。