「入力規則」はエクセルで非常によく使われる機能です。
あらかじめ入力データに制約をもうけることで、効率化・入力ミスの防止に役だちます。
などは、入力規則ならではの実用的な機能です。
この記事では
- 「データの入力規則」ダイアログ
- 入力規則の設定
- 入力時・エラー時のメッセージの表示
- 日本語入力モードの自動切り替え
- 無効データのマーク
を解説しています。
「データの入力規則」ダイアログ
「入力規則」とは、セルに入力する値を特定の範囲に制限する機能です。
設定するには、まず規則を適用するセルの選択からはじまります。
「データ」タブ → 「データツール」 → 「データの入力規則」 → 「データの入力規則」
「無効データのマーク」「入力規則マークのクリア」については後述です。
ダイアログのメニューを順に解説します。
「設定」タブ
「入力値の種類」
セルに入力できる値の種類です。
すべての値
すべての値が入力できます。
つまり、何も規則が設定されていない状態です。
整数
指定した範囲の整数のみ入力できます。
「データ」と「最小値・最大値」もしくは「値」の組み合わせで、入力できる値の範囲を決めます。
「最小値・最大値」や「値」には、直接数値を入れるか、セル参照などの数式の入力が可能です。
例1 セル参照
B列に、「A列より大きな値しか入力できない」という規則を設定したいと思います。
B1セルに入力規則を設定。
最小値は A1セル参照
B5セルまでコピー
通常のセル入力のように、相対参照でコピーされます。
例2 関数
B列に、「A列の最大値より大きな値は入力できない」という規則を設定したいと思います。
最大値として MAX関数を入力。
セル参照は絶対参照
B5セルまでコピー
小数点数
指定した範囲の小数点以下の数値を入力できます。
リスト
プルダウンリストから値を選択させる設定です。
「元の値」には2つの入力方法があります。
- 「 A, B, C …」のようにリストの要素をカンマで区切っていれる
- 「=」の後にセル範囲を入力し、その値をリストの要素にする
通常の数式のように、INDIRECT関数や OFFSET関数の戻り値であるセル参照をいれたり、テーブルの構造化参照をいれたりすることもできます。
このとき、「空白を無視する」にチェックが入っていると、セル参照の範囲内にある空白は無視されます。
また「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていないと、プルダウン式のリストになりません。
日付
指定した範囲の日付データの入力ができます。
時刻
指定した範囲の時刻データの入力ができます。
文字列(長さ指定)
指定した範囲の長さの文字列の入力です。
ユーザー設定
「数式」の欄に数式を入力します。
「=」のあとの論理式が「TRUE」になるような値のみ入力できます。
例 「A」ではじまる文字列のみ入力できるようにする
「入力時メッセージ」タブ
入力規則の設定されたセルを選択したときに、メッセージを表示させることができます。
「セルを選択したときに入力時メッセージを表示する」のチェックが入っていても、「タイトル」「入力時メッセージ」の項目いずれも空白だと、メッセージが表示されません。
「エラー メッセージ」タブ
「設定」タブで指定した範囲以外の値が入力されたときに、メッセージを表示させることが可能です。
「スタイル」には「停止」「注意」「情報」の3つの種類があり、
アイコンだけでなく、メッセージに対する選択肢も変わります。
「停止」は、「再試行」(再入力)か「キャンセル」しか選択肢がありません。
つまり、「設定」で指定した以外の値は入力できません。
「注意」は「はい」、「情報」は「OK」をクリックすれば、指定の値以外も入力できます。
「日本語入力」タブ
セルを選択したときに自動的に IME(日本語入力)のモードを切り替えます。
コントロールなし
IME切り替えの設定をしません。
オン、オフ(英語モード)
規則を設定したセルを選択したとき、日本語入力オン・オフが自動で切り替わります。
「半角/全角」キーなどで、手動で切り替えすることは可能です。
無効
IMEは無効(半角英数字のみ)になります。
再度、入力規則の設定を変えないかぎり元には戻せません。
もちろん入力規則を設定していない他のセルは通常通りです。
ひらがな、全角カタカナ、半角カタカナ、全角英数字、半角英数字
セルを選択したとき、自動的にそれぞれのモードになります。
活用例
名簿の「氏名」「フリガナ」「電話番号」「郵便番号」「住所」…などは、入力モードが自動で切り替わると入力が楽になります。
「氏名」「住所」は「ひらがな」、「フリガナ」は「全角カタカナ」、「電話番号」「郵便番号」は「半角英数字」などです。
表示形式の「文字列」も設定しておくと、先頭の 0も表示され、さらに便利です。
無効データのマーク
「エラーメッセージを表示する」のチェックを外すか、メッセージのスタイルを「注意」「情報」のいずれかにしておけば、「設定」で指定した範囲以外の値も入力することができます。
「リスト」でも、候補以外の値を入力することができます。
これらの値が「無効データ」です。
「無効データ」だけを分かりやすく表示させることができます。
「データ」タブ → 「データツール → 「データの入力規則」 → 「無効データのマーク」
をクリック。
シート内の無効データのみにマークがつきます。
「入力規則マークのクリア」でマークのクリアです。
「入力規則」は「あと付け」もできます。
データ入力済みのセルに入力規則を設定し、「○○という条件のセルのみマークする」という使いかたもできます。
まとめ
「入力規則」でもっとも使われる設定は「リスト」じゃないでしょうか。
「リスト」が多用されるのは、「入力が楽になる」という意味合いが強いでしょう。
入力時・エラー時のメッセージで、入力ミスをなくすという本来の意味も意識してみてください。
また Webサイトの入力フォームなどにある、自動で入力モードが切り替わる機能も「日本語入力」タブで実現できます。
活用してみましょう。